独仏的クルマ生活

ドイツ車のような奥さんとフランス車のような私のカーライフエッセイ

#104 「日産オーラ」ってどうよ?

 

以前、「新型プリウスの発売後評価は?」って記事を書きましたが・・

dfcarlife.hatenablog.com

この時の試乗レビューの中に、こんなコメントがありました

ノートオーラと加速性能では互角といった感じ

まあまあ静かで加速も良いですが、オーラに比べると静粛性や加速も劣る

「日産オーラ」って「新型プリウス」と同格のクルマだったっけ?

「日産オーラ」ってそんなにいいクルマなの?

たくさんあるコメントの中で、具体的な名前が出てきたのは「オーラ」だけだったので、ちょっと気になって「日産オーラ」を調べてみることにしました

「日産オーラ」は、「日産ノート」のプレミアム版として2021年8月にデビューしました

顧客ニーズの多様化や、高齢ドライバーがダウンサイジングした場合の受け皿として発売したそうですが、「ヤリス」と「アクア」で半分以上占めているコンパクトカー市場に、2ブランド戦略で対抗する狙いもあったようです

基本的なメカニズムは「ノート」と同じですが、プレミアムと謳うだけにいろんな所で「ノート」とは差別化されています

まずは外観から・・

「オーラ」と「ノート」は同じプラットフォームを使用しており、全長と全高、ホイールベースはまったく同じなんですが・・

全幅は40mmワイド化されて(1,695mm→1,735mm)、「ノート」が5ナンバーなのに対して、「オーラ」は3ナンバーになります

ちなみにトレッド幅も1,490mmから1,510mmに拡大しています

フロントマスクは、ヘッドライトが細目のLEDライトになり、フロントグリルが横に広がったことで、上品で落ち着いた印象になっていますね

リアフォルムはと言うと・・

横幅が広がったのに加えて、バンパー周りもドッシリした印象に変わっています

コンビネーションランプも一直線のモノに変更されて、なかなかいい感じです

つぎに内装を見てみましょう

まずはインパネ(上:オーラ、下:ノート)

ハンドルは本革巻きになり、ダッシュボードには木目調パネルと厚手の布が貼られて、高級感を出しています

スピードメーターも、7インチ+5インチ画面から、12.3インチワイド液晶画面になって、表示できる情報量も多くなっているみたい

シフトノブ周りは基本的に同じですが、こちらも木目調パネルと布で華燭されていて、確かに上質感がありますね(上:オーラ、下:ノート)

フロントガラスとフロントドアガラスには「IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス」が、さらにフロントドアガラスには「遮音ガラス」が採用されています

「オーラ」のフロントシートには、座り心地と快適性を両立させた「本革3層構造シート」を採用(上:オーラ、下:ノート)

シートは本革も選べるようになり、よりプレミアム感が増しています

また「オーラ」では、「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」もオプションで選ぶことができます

次に、走りの方はどうなんでしょうか?

e-power

ご存じのとおり「ノート」も「オーラ」も、エンジンで発電してモーターで走る、いわゆるシリーズハイブリッドe-power)です

「オーラ」では、このフロントモーターの出力が強化されています(4WDのリアモーターは同じ)

最高出力(フロントモーター)

  • オーラ:100kW(136PS)/3183-8500rpm
  • ノート:85kW(116PS)/2900-10341rpm

最大トルク(フロントモーター)

  • オーラ:300N・m/0-3183rpm
  • ノート:280N・m/0-2900rpm

ノートに比べて、最高出力が20ps、トルクは20Nmアップしていますね

これに対して車両重量は30kgしか増えていない(1,340kg→1,370kg)ので、このパワーアップの差はかなり大きいみたいです

アクセルペダルをぐっと踏み込むと、その差は歴然!

そりゃ、コンパクトカーに3.0Lガソリンエンジンを積んでるみたいなもんですから、相当力強いに決まってます

そしてもうひとつは静粛性の高さ

フロントドアの遮音ガラスの効果で、一般道や高速道路でも、ロードノイズや風切り音がノートに比べてはるかに静かなんだそうです

また、ドアの閉まり音やパワーウィンドウの開閉音なども、上質な音へと改善されているらしい

では、このプレミアムコンパクトカーを実際に買った(乗ってみた)人のレビューはどうなんでしょう?

ってことで、いつも通り「価格com」のレビュー投稿を覗いてみました

エクステリア

  • 引き算されたスッキリしたデザインです
  • 小型車の中では一番スッキリしていて好みに合った
  • 小さくまとまっていて気に入っています
  • チラ見でノートでは無くオーラであることが分かる違いが欲しかった

シンプルですっきりしたデザインは概ね好評のようです

ただパッと見「ノート」と「オーラ」の区別がつかないのが不満という声も・・

インテリア

  • この価格帯にしては質感は相当高い
  • 布シートでも十分立派!
  • マツダ車の内装に慣れると他は安っぽく見えるが、オーラは満足感があります
  • 上質感は高級車と比べられると物足りないかもしれません
  • 軽や同車格からの乗り換えなら充実しているのでしょうが、プレミアムコンパクトカーとは言えない

インテリアに関しては、意見が二つに分かれていました

プレミアムという言葉に期待していた人(上級車からダウンサイズした人)からは、相当厳しい意見が多かったですね

見た目の質感だけでなく、プレミアムを謳うなら「パワースライドシート」や「左右独立エアコン」は当たり前だろ!ってな感じでした

加速・走行性能

  • スポーティーな仕上がりと言っても過言ではない
  • アクセルを踏み込んだ瞬間、モーターならではの気持ち良い加速を得られます
  • めちゃくちゃ良い。走行性能と合わせて素晴らしいと思う
  • 安定感に関してはマークXと同等かそれ以上
  • 自然で素直なハンドリング、ATやCVTのような不自然な音やギクシャク感も無いのでストレスフリーで楽しい
  • アクセルのみの加減速コントロールは、人車一体感あり、運転が楽になった

「力強い」「気持ちいい」「スムーズ」という言葉がたくさん出てきました

ハイブリッドとは言え、走ることについてはBEVと一緒ですから、そりゃスムーズに決まってます

あと、ワンペダル走行に慣れると、楽だし疲れないというコメントも多くありました

ワンペダルと言えば、「BEV」を買いたかったけど高いし、充電が面倒なので「e-power」にしたって人も結構いました

静粛性・エンジン音

  • 静粛性が高いので、音がしっかり楽しめる
  • 音も静かですし、滑らか
  • 車外からの遮音特性が良く、音楽はもちろん、ラジオの会話も良く聞こえます
  • エンジンのノイズも抑えられています
  • たまに唸るエンジン音は、遠く外から聞こえる感じ
  • 音質はまるで耕運機のようでうるさい
  • 充電中でエアコン使用時には回りっぱなしになるので、少し音と振動が気になる
  • アクセルベタ踏みするとうなりを上げる

モーターということもあって静粛性はかなり高いようですね

あと、フロントドアの遮音ガラスの効果で、風切り音なども低減されてるみたい

エンジン音に関しては人それぞれで、これも意見が分かれるところです

ただ、急坂などでアクセルを踏むとエンジンがうなりを上げるのと、下り坂でも突然エンジンがかかることがあるみたいです

乗り心地・足回り

  • 突き上げが硬めだが、決して不快な部類では無いです
  • 路面荒れの振動・音も少なくなくどっしりしています
  • 欧州に好まれる足回りになっている印象
  • 吸い付くような静かで高級感ある走りです。少し凸凹ある路面、踏切などで跳ねを感じます
  • 一昔前のドイツ車みたいな硬さ。後部座席の乗り心地はかなり悪いです
  • 低速域では固さが目立ちますが、中~高速域では安定している

これも人によって印象が変わりますが、欧州車のような足回りになってるみたいで、少し固めだけど、しっかりしている、って感じですかね

ただし、後席の乗り心地は良くないみたいです(家族の評価が悪いというのが結構ありました)

燃費・コストパフォーマンス

燃費は、普通に走ると20km/L前後っていうコメントが多かったですね

ただし、ちょい乗りや坂道走行、90km/h以上の高速走行だと急に燃費が悪くなって、リッター5kmは燃費が落ちるとのこと

燃費に関しては、どうもトヨタのハイブリッドの方が優れているみたいです

コスパに関しては、良くない(このクラスにしては高い)というコメントが多くありました

特にメーカーオプションがセットになっているらしく、「余計なモノまで付いてくる!」なんてコメントもあったので、実際にWeb見積もりをしてしました

プレミアムコンパクトカーですから、車両は本革シートの「G leather edition(2WD)」を選択してみます

ボディカラーは黒とゴールド?のツートンカラー(77,000円)

これで車両価格は、286万円になります

ここでニッサンコネクト(7,920円/年)を契約しようとすると、メーカーセットオプションが出て来て、421,300円がプラスされます(オプション1)

「ステアリングスイッチ連動のディスプレイ」「プロパイロット連動のナビゲーション」「USB電源&ワイヤレス充電器」「BOSEサウンドシステム」「ETCユニット」「SOSコール機能」が全部セットになっていて、これを付けないと「ニッサンコネクト」には加入できなくなっていました(なるほど・・これね)

え~と、この時点で、車両価格は3,289,220円

折角なので、ステアリングヒーターやシートヒーターなどが付く「ホットプラスパッケージ」を付けると、更に80,300円がプラスされます(オプション2)

ってことで、トータル金額(見積もり)はどうなるかっていうと・・

車両本体価格 :2,783,000 円

ボディカラー :  77,000 円

日産コネクト :    7,920 円

メーカーOP1:   421,300 円

メーカーOP2:     80,300 円

車両合計   :3,369,520 円

ー-------------

自動車重量税 :  22,500 円

エコカー減税 : -22,500 円

自賠責保険  :  24,190 円

自動車税   :  12,700 円

リサイクル費 :    8,890 円

登録諸費用  :  50,414 円

ー-------------

支払合計額  :3,465,714 円

ま、確かにコンパクトカーというジャンルから考えると高めですね(ベンツのAクラスはもっと高いけど・・)

国産車には珍しい「プレミアムコンパクトカー」として売り出された「日産オーラ」は、乗り出し350万円に見合うクルマ・・か、どうかは乗る人によって変わりそうですが、「新型プリウス」と比べたくなるのも、ちょっとわかった気がします

格下のプレミアムコンパクトの方が、静粛性や加速性能は勝ってます!ってことだったんですね

オーラNISMO

最後に、「日産オーラNISMO」を買った人のコメントを紹介します

  • 普通のオーラでも十分に良いが、オプションで付けたいようなエアロパーツが全て付いていてよかった
  • 日産にしては良く纏まっている
  • NISMO専用デザインがかっこいい

  • 内装も材質とか色使いがニスモ専用となっていて、スポーツ感が向上しています
  • 上質な内装かと・・赤黒カーボン柄は良いが、前面が省かれているのが残念
  • レザーシートは滑りやすいので、標準のファブリックの方が良いです
  • シートヒートやパワーシート、エアコンの左右温度設定は標準装備にしてほしかった
  • 高級感とスポーティな内装

  • 出力特性を変更しアクセルレスポンスや加速感に違いがあります
  • モーター走行がこれほどスムーズな発進が出来て、トクルが強いので走行性能には満足
  • モーターの出力は十分以上だと思います
  • 加速はそこそこ良いのでモーターのトルクを楽しみたい
  • 意外と速い
  • なめらかな加速と、回生ブレーキによるなめらかな減速はEVでも同様ですが、充電の心配をせずにこの走りが出来ることの価値は大きい

  • 速度を上げてもフワフワする感覚は皆無です
  • きびきびと走る電動シティーレーサー高速域での安定感はクラスを超えた感じ
  • シャーシやタイヤの関係が大きいと思うが、カーブが楽しい
  • 速いしタイヤの食いつきも良い。走ってて楽しい

  • 突き上げが硬めだが、決して不快な部類では無いです
  • 低速域では固さが目立ちますが、中~高速域では安定しています
  • 乗り心地も固くも柔らかくもなく快適
  • 普通のオーラも十分に引き締まっていてそれほど差が分からず
  • 好みにもよるが、悪くない

NISMO」に関しては、悪いコメントはほとんどありませんでした

ただ一点だけ・・「NISMO」には「BOSEサウンドシステム」が付けられないのが残念だったという声がいくつかありました

「日産オーラ」はメーカーが謳う程プレミアムかどうかは別にして、それなりに満足度の高いクルマのようです