先日のテレビで「上海モーターショーで起きた、ある事件」が報道されていました
BMWの展示ブースで、来客者へアイスクリームを配っていたのですが、欧米人には笑顔でアイスクリームを渡すけど、中国人が行くと渡さない
ひとりの中国人女性が文句を言うと、スタッフが「もう配り終わった」と答えたのに、後から欧米人が行くと、また配っていたんだとか・・
この動画がSNSにアップされて、「中国人差別だ!」と大騒ぎになり、BMWの不買運動にまで、発展しているらしいのです
「まぁ、アイスクリームぐらいで、そんな大騒ぎしなくても・・」って思いますが、それだけ、中国のモーターショーが盛況だってことですね
盛況と言えば、ひと昔前の3大モーターショーと言えば・・
「国際モーターショー」 開催地:ドイツ(フランクフルトorハノーバー)
「東京モーターショー」 開催地:日本(東京)
でしたが、最近は・・
「広州モーターショー」 開催地:中国(広州)
「上海モーターショー」 開催地:中国(上海)
「北京モーターショー」 開催地:中国(北京)
のことを指すんだとか・・
中国での「新車販売台数」が、アメリカを抜いて世界一になったのが2009年で、それ以降は14年連続で、世界一をキープしているって言うんですから、まぁ当然っちゃ当然ですけどね
ちなみに、2022年の「国別:新車販売台数」は、以下のとおり
1位:中国 2,686万4,000台(前年比+2.1%)
2位:アメリカ 1,390万3,429台(前年比-7.8%)
3位:インド 472万台(前年比+25.7%)
4位:日本 420万1,321台(前年比-5.6%)
5位:ドイツ 265万1,357台(前年比+1.1%)
上海モーターショーで「日本車のガラパゴス化」- Yahoo!ニュースより抜粋引用
中国がダントツというか、2位のアメリカに、倍近い差をつけてるんですから、もう凄いとしか言いようがありません
あとは、中国を抜いて世界一の人口になったインドがどうなるか・・ですね
さて、その上海モーターショーで、今年は、大きな変化が起きているらしいのです
これまで、中国のモーターショーで主役だったのは、「日本」や「ドイツ」のメーカーだったのですが、今年は「比亜迪」「蔚来」「小鵬」「理想」「哪吒」「長城」「吉利」「奇瑞」などの、馴染みのない中国メーカーが脚光を浴びているんだとか・・
上海モーターショーで「日本車のガラパゴス化」 - Yahoo!ニュースより抜粋引用
なぜこうなったかと言うと、中国メーカーが「新型EV車」を、どんどん発表しているから!
ご存じのとおり、中国は「油改電(ガソリンを電気に代える)」を合言葉に、ガソリン車から、電気自動車(EV)を中心とする、新エネルギー車(NEV)への大転換を図っています
だから、中国の自動車メーカーは、こぞって「新型EV車」を開発・販売してるわけです
中国でトップシェアを獲得した「比亜迪(BYD)」なんかは、すでにガソリン車の生産をストップしてしまったほど・・
実際に、2023年第1四半期(1月~3月)の、中国における「新車出荷台数」の国別メーカーシェアを見てみると・・
上海モーターショーで「日本車のガラパゴス化」 - Yahoo!ニュースを参照
なんと!、中国メーカーのシェアが、すでに半分を超えています!
前年と比べても、伸びているのは中国だけで、海外勢はどこも前年よりシェアを落としており、日本系メーカーなどは、3割以上もシェアを落としているんだとか・・
「日本のクルマ」が「中国のクルマ」より、劣ってるってこと?
いやいや・・、別に中国車の性能がいいから売れてるわけじゃなくて、中国メーカーは「EV」に完全シフトしているのに、日本系メーカーは、いつまでも「ガソリン車」を作り続けているから売れない!、というのです
【招財進寶(ショウザイシンポウ)】
ちょうど2年前に、世界の「EV事情」の記事を書きましたが・・
いままで中国は、ドイツや日本・アメリカに、ずっと甘い汁を吸われ続けていましたが、いつかは自分たちが、自動車産業のトップになりたい!と思っていました
そんな時に、地球温暖化対策として「脱炭素ブーム?」が巻き起こりました
内燃機関車(ICE)じゃドイツや日本に敵いませんが、電気自動車(EV)なら、勝てるチャンスが大いにあります
だから国を挙げて、電動化に取り組んできたわけですが、たった2年でここまでくるとは・・すごいな中国!
でも、これは中国だからできることで、自由主義国で、ここまで強引に実行できる国は恐らくないでしょう(韓国も早いけど・・)
上海モーターショーで、日本車はすでに「ガラパゴス化」しているそうですが、「ガラパゴス」と言えば、やっぱり「携帯電話」でしょう!
スマホを持たずに、ず~っと「ムーバ携帯」を使っていた「オジサン」「オバサン」は、こう言って、よく馬鹿にされたもんです
「日本は非常に高い技術力を持っているはずなのに、スマートフォン市場で世界に出遅れてしまったのはなぜか?」という問いに、ある中国メーカーが、こんなことを言ったそうです
日本には、組み立てを行う会社が不足している
中国と比べて、日本のスマホ市場は規模が小さい
中国のスマホメーカーは、元々世界から発注を受けるだけの、小さな組み立てメーカーだったのですが、組み立てを行ううちに、自社でスマホを製造できる技術力と、コストパフォーマンスを手に入れることができました
そして自国(中国)の圧倒的な市場規模を背景にして、スケールメリットを活かして、コスト面でも日本より優位に立つことができたというのです
さらに日本のメーカーは、日本市場に特化した製品開発をしてしまい、結局、世界から取り残されてしまったのだ、と説明したそうです
「う~ん、何だかいまのクルマ事情とよく似てるような気がする・・」
中国メーカーは、すべての「EV」のバリューチェーンをカバーしている
中国と比べて、日本の「EV市場」は規模が小さい
日本のクルマ市場は独特で、「EV市場」への転換性が悪い
中国は、いまや全世界の電動モーターを生産し、リチウム電池の化学原料に用いる大部分を加工しています(次世代のナトリウム電池でもリードしているらしい)
また、直近の日本の「EV販売シェア」を見てみると・・
日本国内における電気自動車の売上とシェア【最新情報/2023年3月】- EVsmartブログより
純電気自動車(BEV)だけでみると、何と・・たったの2%
こりゃ中国からみれば、売ってないのと一緒ですな
日本の市場は、世界的に見ても、ハイブリッド車(HV)がかなり普及しています
今後、ガソリン車が販売できなくなるって言っても、ハイブリッド車はOKですから、インフラが十分じゃない「EV」を、敢えて買う必要性がありません
必要性がない = 売れない = 本気で作らない
記事によると、日本メーカーは、EVを「ガソリン車の変形」としか捉えてないが、中国メーカーは、EVを「動くスマホ」と考えている
だから、次々にバージョンアップを思いついて、進化させていくんだとか・・
でも、やっぱり私は「ICE」がいいかな・・なんて言ってるから、中国に負けちゃうんですかね
そのうち「まだガラカーに乗ってんの!」とか言って、馬鹿にされそう・・