独仏的クルマ生活

ドイツ車のような奥さんとフランス車のような私のカーライフエッセイ

#74 トヨタ・カムリの国内販売が終了!?

 

トヨタ・カムリの国内販売が、年内で終了するという情報が流れましたが・・

トヨタが正式に年内生産終了を発表し、発売以来43年という長い歴史に、幕を下ろすことが決まりました

初代カムリが発売になったのは、1980年(昭和55年)ですから、私はまだ学生でした

以下画像はトヨタ自動車株式会社 公式企業サイト (global.toyota)より

当初の車名は「セリカ・カムリ」で、エンジンは直4OHVの「1.6L」「1.8L」と、DOHCの「2.0L」を搭載し、セリカシリーズのスポーツセダンと言う位置づけでした

それからわずか2年後の1982年(昭和57年)、カムリはフルモデルチェンジして、2代目になります(ちょうど私が、社会人になった年です)

2代目は、全く新しいプラットフォームを使用し、欧州車のようなフォルムに、横置きエンジンの「FF車」として生まれ変わりました

これにより「居住性」や「快適性」は大幅にアップし、国内だけでなく、海外市場への販売も積極的に行われます(ビスタという兄弟車も販売)

3代目は、1986年(昭和61年)に登場!

エクステリアは、当時人気があった「マークⅡ三兄弟」を思わせるようなスタイルへと改められ、内装の質感も大幅に向上します

トヨタマークⅡグランデ>

(ちなみに私も、チェイサーに乗ってました)

この3代目は、トヨタが初めて「オーストラリア」と「アメリカ」で現地生産を開始したモデルとなり、本格的な、世界戦略車としての道を歩むことになります

1990年(平成2年)に登場した4代目は、カムリ(輸出および海外生産仕様)と、ビスタ(日本国内仕様)に分けられました

1994年(平成6年)に登場した5代目は、「バブルの崩壊」の時期と重なったこともあって、コストカットが目立つモデルに・・

快適装備やドアの内張り・天井・パネル類などのインテリアが、先代と比較してかなり簡素なものになっていたそうです

1996年(平成8年)に登場した6代目は、ついに日本専用仕様が無くなり、北米仕様車と同じボディに統一されました

全長/全幅/ホイールベースの全てが拡大され、特に全幅は、当時のクラウンを上回るサイズ(1785mm)だったそうです

2001年(平成13年)に登場した7代目では、セダン仕様に一本化されてしまいます

エンジンも、直列4気筒2.4リッターだけ(日本仕様)となり、当時の「ウィンダム」と共通のプラットフォームを使用していました

2006年(平成18年)に登場した8代目は「ウィンダム」と統合されることになり、今までよりもスタイリッシュで、アグレッシブな外観になりました

横幅はセルシオ並みに拡大され、エンジンは「159馬力」から「167馬力」へアップ、質感にも磨きをかけ、本皮シートや専用グリル、HDDナビゲーションなどを、標準装備していました

2011年(平成23年)に登場した9代目からは、ハイブリッドシステムのみ、の設定となっています

高級感のあるセダンスタイルを追求しつつ、ハイブリッドシステムと高遮音性ガラスの採用によって、高い静粛性を実現しました

そして2017年、10代目(現行カムリ)の登場となります!

プラットフォームやパワートレーンなどをすべて一新し、大人しい印象だった9代目から一転、躍動感のあるスポーティなデザインに変更されました

さすがにフロントマスクは、ちょっとやり過ぎ感があったものの、低くてワイドなボディは、思わず振り返ってしまうほど・・

それもそのはず、元々大きかった9代目と比較しても、全長で+35mm、全幅は+15mm拡大、全高は‐25mm低くなり、ホイールベースは50mmも延長されました

こうやってカムリの歴史を見ると、世界戦略車として、常に合理化が図られてきたことがよくわかります

今回、カムリの国内販売が終了するのは、「国内販売台数が低迷しているから・・」なんだとか(2021年=8,933台、2022年=5,750台)

他のセダンと比べたら、それなりに売れてるような気もしますが、トヨタの売れ筋(ヤリス)と比較すると、20分の一にも満たないらしい

そこと比べると、ちょっとかわいそうな気もしますが・・(一応高級車ですからね)

なぜ低迷しているかと言うと、一つはボディサイズが大きくなり過ぎたこと、もう一つは近年のセダン不振(不人気)だそうで・・

全幅が1,840mmというと「ベンツEクラス」とか「BMW5シリーズ」ぐらいありますから、確かに日本じゃ、取り回しが良いとは言えない

でもカムリの歴史を振り返ると、元々日本をメインターゲットにしてたわけじゃないし、今更大きいって言われても・・って感じでしょうね

セダンの低迷って言っても、セダン派(昭和のオヤジ)が乗らなくなった(買わなくなった)んだから、どうしようもない!

昔、「いつかはクラウン」なんて、年齢を重ねて、最後は高級セダンに乗るのが「昭和のお父さん」の憧れでしたが、団塊の世代は、そろそろ「免許返納」を考え始める時期だし、オリンピック世代は、運転しやすくてリーズナブルなコンパクトカーに乗り換えてるし、団塊ジュニアは、元々「ミニバン派」だし・・(こういう分類自体が昭和的)

いまの人は、居住性を重視するなら「ミニバン系」、アウトドアを重視するなら「SUV系」、走りを楽しむなら「スポーツ系」と、ジャンルで選択しますからね

北米やオセアニア・東南アジアなどでは、今も絶大な人気を誇る「カムリ」

トヨタにすると「海外市場で売るからご心配なく!」ってことか?

あっ!「セダンが良ければレクサスでどうぞ!」なのかも・・