独仏的クルマ生活

ドイツ車のような奥さんとフランス車のような私のカーライフエッセイ

#89 軽ワゴン車が気を付けるべきこと

先日、こんな事故の映像が流れていました

www.youtube.com

ワンボックスが凄い勢いで走ってきて、軽ワゴン車に衝突、そのまま軽自動車を押しながら、停車中のバスに衝突した、いわゆる玉突き事故なのですが・・

ぶつかって来たワンボックスは大したことないのに、ぶつけられた軽ワゴン車は明らかにぐちゃぐちゃになってる

軽ワゴン車って、こんなに弱いの?」

運転手は無事だったので一安心なのですが、ちょっと前に妹の軽自動車に乗ったばかりなので、少し(いや、かなり)不安になってしまいます

dfcarlife.hatenablog.com

よくニュースで大破した事故を見ると、やっぱり軽自動車が多い気がするし、亡くなった方も軽自動車の方が多い気がする

そこで、軽自動車の安全性能について、ちょっと調べてみました

軽自動車の衝突安全性能評価はどうなの?

自動車の安全性能評価と言えば、独立行政法人自動車事故対策機構 ナスバ(交通事故) (nasva.go.jp)が行っている、「自動車アセスメント」になります

ちょうど最新(2022年)のアセスメントが掲載されていたので、それを一覧にしてみました(普通車・軽自動車合わせて13台、姉妹車は割愛してます)

黄色は軽自動車、無印は普通自動車

独立行政法人自動車事故対策機構 ナスバ(交通事故) (nasva.go.jp)より引用作成

これを見る限り、「★5つ」のクルマは、普通車の方が多い気がします

でも、日産「サクラ」や三菱「ekワゴン」はしっかり「★5つ」ですね

あと、総合点数が高ければ「★5つ」になるわけじゃないんですね

マツダ「CX‐60」がいい例ですが、衝突安全性能で「A」を取らない限り、「★5つ」にはならないようです(そりゃ、当たり前ですね)

ってことで、「衝突安全性能」だけに、絞って見てみることにしました

衝突安全性能評価の概要  ナスバ(交通事故) (nasva.go.jp)より

衝突安全性能は「乗員保護性能」「歩行者保護性能」「シートベルト着用警報」の3つで評価され、それぞれの配点は上記のとおりになっています

ただし、合計点数が84.63以上でも、全評価項目が「レベル4」以上でなければ、「Aランク」にはなりません(結構きびしいですね)

今回はクルマ自体の「衝突安全性能」を見たいので、更に「乗員保護性能」だけに絞ってみることにしました

それがコレ(各項目は得点率で表示)

すると、やっぱり軽自動車が、下の方になってしまうようですね

また、全体では「★4」だったVW「ゴルフ」やマツダ「CX‐60」が上に上がってきました

ちなみに、マツダ「CX‐60」が「A」にならなかったのは、後面衝突の得点率が低かったんですね

公平なアセスメント試験にも落とし穴があるの?

ところで、このアセスメント試験は、普通車も軽自動車も、全く同じ基準で行う評価なわけですが、「基準を同じにすることに自体に問題がある」という指摘もあります

■乗員保護試験
・フルラップ衝突 時速55kmで壁に衝突
・オフセット衝突 時速64kmで前面の40%だけがぶつかる形で衝突
・側面衝突 静止状態の車に側面から、950kgの台車を時速55kmで衝突
・後面衝突 静止状態の車に同車種の車を後ろから時速36.4kmで衝突

軽自動車の安全性は普通車と比較してどうなの?(ニコニコカーリース) (niconori.jp)より

まず、フルラップ/オフセット衝突は、停まっているモノにぶつけるので、軽い車体ほど衝撃エネルギーは小さくなります

youtu.be

単独事故なら耐えられても、より大きなクルマがぶつかってきた場合は不安が残ります

また、後面衝突の場合は、同車種のクルマをぶつけて、前席の頸部保護を試験しているので、もっと大きいクルマがぶつかってきた場合に、後席にどれぐらいの衝撃があるかはわかっていません

アセスメント試験では見えてこないこと

軽ワゴン車はクルマの大きさに対して、驚くほど広い室内空間を確保しています

妹の「ekワゴン」に乗った時も、余裕のある室内に感心しましたからね

ただその分、いわゆるクラッシャブルゾーンが犠牲になっており、特に後部座席の後ろにはほとんどクラッシャブルゾーンがないと言われています

また人気のハイトールワゴンは、乗り込み易く見晴らしがいい代わりに、車体が軽く、重心が高くなっています

従って、ちょっとした衝撃でも(低速であっても)横転することが多いそうです

横転すると二重に衝撃を受けることになったり、車外に放り出されることもあるので、十分注意する必要があります

ぶつけるよりも、ぶつけられた時が危ない!

やはり軽ワゴン車は、ぶつけた時よりも、ぶつけられた時の方が危ないようです

それも、後方からの衝突や、側面からの衝突に気を付けた方が良さそうです

また横転する可能性も高いので、注意が必要です(これは私も乗った時に感じました)

じゃあ、どうすれば良いかってことですが・・

後ろにいる大型車や、車間が近いクルマには十分気を付ける

出来るだけ大型車の前は走らない、停まらない

煽ってくるクルマは、さっさと抜かせてやる

信号待ちでは、後方に気をつけて、逃げる準備をしておく

後席に乗せる時は、出来るだけ座席を前にずらして、後のスペースを確保する

信号のない交差点は、出会い頭の衝突に注意する

ぶつかっても、むやみにハンドルを切らない

小さくて、扱いやすく、駐車も楽な、軽自動車

室内は広いし、燃費もいいし、税金も安い、軽自動車

メリットだらけの軽ワゴン車ですが、唯一の弱点が、軽くて、クラッシャブルゾーンが少ないこと

97キロ炎鵬、八艘飛び デイリースポーツ online (daily.co.jp)より

大きな相手に、モロにぶつかったら負けるという自覚をもって、自分の身は自分で守る(逃げる)ことが重要ですね