前回、車検シールと法定点検シールは同じじゃないというが、40年振りに発覚したわけですが・・
「クルマの運転が好き!」と言っていたにも関わらず、こんな乏しい知識で40年間も過ごしていたのかと思うと、情けないというか・・恥ずかしいというか・・
そこで今回は反省と勉強の意味で、続編を書くことにしました
それが表題の「ラジアルタイヤ」
今まで「ラジアルタイヤ」ってスポーツ系タイヤ・高級なタイヤってイメージで使っていましたが、「ラジアルタイヤって何?」ってマジで聞かれたら答えられない・・
ってことで「ラジアルタイヤ」を調べてみました
- 1、ソリッド(ゴムだけ)タイヤの登場
- 2、空気入りタイヤの衝撃的デビュー
- 3、タイヤが黒くなった理由とは?
- 4、進化したバイアスタイヤの登場!
- 5、バイアスタイヤにも欠点があった?
- 6、高速走行に向いたタイヤの開発
1、ソリッド(ゴムだけ)タイヤの登場
そもそも車輪にゴムが使われ始めたのは、つい150年ほど前の話なんですね
それまではずっと車輪に鉄の輪っかをはめ込んだ「鉄のタイヤ」が使われていたのですが、19世紀半ばに初めて車輪にゴムを巻いた「ソリッドタイヤ」が登場しました
株式会社ブリヂストン (bridgestone.co.jp)より
それからしばらくはソリッド(ゴムだけ)タイヤが使われていましたが、ゴムに空気を入れて膨らませると乗り心地や走りがよくなることがわかってきました
2、空気入りタイヤの衝撃的デビュー
これを実用化したのが「ダンロップ」でした
彼は自作の空気入りタイヤを、息子の自転車に付けてレースに出場させ、見事に優勝させてしまいます
ダンロップヒストリー|【DUNLOP】ダンロップタイヤ 公式より
するとこのタイヤを欲しがる人が後を絶たなかったため、ダンロップはついに自転車用の空気入りタイヤを本格的に製造することになりました
自動車用の空気入りタイヤを初めて作ったのは、フランスの「ミシュラン兄弟」でした
彼らは1895年に開催された「パリ~ボルドー往復耐久レース」に空気入りタイヤで出場しましたが、度重なるパンクで思うような結果は残せませんでした
ミシュランタイヤの凄さ知ってますか? (loveinmycar.com)より
しかし、彼らのクルマは優勝したクルマの2倍以上のスピードで走ることができたことから、「空気入りタイヤ」は急速に普及していきます
「空気入りタイヤ」は耐久性に問題があったとは言え、乗り心地、グリップ力、走行安定性が格段に優れていることが証明されたわけですね
3、タイヤが黒くなった理由とは?
その後「空気入りタイヤ」は、耐久性を上げるために様々な工夫が行われました
アメリカの「グッドリッチ」は、印刷に使われていた「カーボンブラック」をゴムに加えることで、タイヤの耐久性が上がることを発見しました
その高い補強性から、その後は「カーボンブラック」が使用され始め、タイヤの耐久性は3~4倍程度上がったと言われています
ちなみにタイヤと言えば黒ってイメージですが、カーボンを混入する以前のタイヤは、白か飴色だったそうです
また初期のタイヤは、タテ糸とヨコ糸で織った平織りキャンバスにゴムを塗ったもので作られていましたが、糸が交差するところが切れ易く、タイヤの寿命は2,000~3,000kmと言われていました
そこでアメリカの「パーマー」は、すだれ織り状のコードを作り、コードとコードの間に薄いゴム層をはさむことで、擦れて切れる問題を解決しました
これによってタイヤの寿命はまた3~4倍向上したそうです
このコードには最初エジプト綿が使われてましたが、その後はレーヨン → ナイロン → ポリエステルと改良されて、どんどん強度が向上していきました
4、進化したバイアスタイヤの登場!
こうして進化していったタイヤが「バイアスタイヤ」でした
日本グッドイヤー 公式サイト (goodyear.co.jp)より
タイヤの芯となる部分(カーカス)に、斜めのコードが巻き付けられていることから、「バイアス=斜め」タイヤと言われています
「バイアスタイヤ」は2つのコードを交叉するように巻き付けて、強度の均一化を図っていますが、この2枚1組のコードを更に重ねることで、タイヤ全体を強靭にすることができました
またタイヤ全体が「たわむ」ことで、(現在と違って)あまり程度のよくないサスペンションでも、快適に走ることができたわけです
5、バイアスタイヤにも欠点があった?
しかし時代と共に道路は整備され、クルマの性能がどんどん上がっていくに連れて、「バイアスタイヤ」の欠点が浮き彫りになってきました
その一つが転がり抵抗です
コードを格子状に重ねているバイアスタイヤは、たわむ度にコード同士が擦れるために転がり抵抗が大きく、高速走行ではタイヤが熱くなる現象が起きました
もうひとつはタイヤのトレッド部分(路面に接地している部分)のたわみが大きいために、高速走行では操縦安定性が悪く、乗り心地もグリップ性能も良いとは言えませんでした
6、高速走行に向いたタイヤの開発
そこで20世紀半ばに開発されたのが「ラジアルタイヤ」だったのです