1年前に、東京湾アクアラインの「ロードプライシングって効果あるの?」って記事を書いたのですが・・
期限(今年3月)が過ぎたあとも継続されてるらしいけど、ホントに効果はあったのかな?
私なんか値上げになってから一度もアクアラインを通ってませんが、みんなはどうなんだろう?
ってことで、調べてみました
交通量に変化はあったのか?
令和6年1月に行われた第2回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会の資料を見ると、土日のアクアライン上り線の交通量(1日平均通行台数)は、実験前よりも実験開始後の方が増えているそうです(2.7%増)
ってことは、「ロードプライシング」によって交通量は減ってないわけか・・
ちなみにアクアラインの交通量は、800円に値下げした平成21年以降、コロナ禍で減った令和4年を除いて毎年増え続けているそうです
じゃあ、時間帯でみるとどうなんだろう?
下のグラフを見ると、料金が上がった時間帯「13~20時」を避けて、その前後に移動したように(一応)見えます(青線=実験前、赤線=実験中)
確かに「19~20時」がガクンと減ってるのは分かりますが、それ以外の時間帯「13~19時」はあまり変わってないように見えますが・・
それと「0~13時」が増えてると言っても、千葉県ナンバーの車両が多かったみたい
東京・神奈川・埼玉の率はあまり変わっていませんから、午前中に帰る観光客は少なかったってことですな
渋滞は緩和できたのか?
交通量のグラフを見ても「19~20時」以外は相変わらずなのに、ホントにこれで渋滞解消に繋がったのかなぁ?
そう思いながら通過時間の比較グラフを見ると、意外なことにどの時間帯も通過時間が短くなっていました!(青棒=実験前、赤棒=実験中)
最大通過時間で比べると、土曜で11分、日曜で10分も短縮されています
少し分散(減少)するだけでも、これだけ効果があるんですね
また、アクアライン本線の渋滞緩和に伴って、周辺の一般道の渋滞も緩和しているんだとか・・
なので、渋滞に関しては一定の効果があったってことです
ただし、実験開始から「1か月」「2か月」「4か月」と、時間が経つにつれてその効果は薄まって来てるらしい
それだけロードプライシングを知らない人が多いのか、それとも昨今の物価上昇にみんな慣れてしまったのか・・
事故は減ったのか?
もうひとつの効果として、事故件数の変化があります
第2回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会の資料によると、急ブレーキの回数が30%減少、事故件数は何と42%も減少したそうです
特に渋滞末尾での急ブレーキ回数が大幅に減っているそうで、もしかしたらこれが事故が減った大きな原因かもしれませんね
その他の影響は?
以下の資料は「アクアライン」を通る高速路線バスの運行状況です
金田バスターミナルからバスタ八重洲までの運行状況を見ると、実験開始後は概ね遅延が改善されています(一番遅れてた16時台が23分も短縮してるのは大きいですね)
ロードプライシングは知られてるのか?
社会実験を開始する前は「テレビ」や「ネット」で何度も取り上げられていましたが、いまでは全く取り上げることが無くなった「ロードプライシング」
みんなどれぐらい知ってるんでしょうか?
ってことで、「ロードプライシング」の認知度調査もやったようです
これを見ると「知っていた」と答えたのは全体の35%でした
「知っていた」人のうち、行動を変えた人は4割なので、利用者全体からみると14%しか反応しなかったことになります
もし全員が「ロードプライシング」を知っていたら、4割の人が渋滞を回避する行動をとったかもしれないってことですね
十分な効果を得るには、もっと認知度を上げる必要があるみたいです