以前、「BMW420GC」のタイヤを交換した話をしましたが・・
交換したのは、買った時と同じ「ピレリ:チントゥラートP7」
サイズも同じ、225/45R18のランフラットタイヤなのに、「LI(ロードインデックス)」だけが違っていました
交換前 = CINTURATO P7 :225/45R18 91Y ★BMW RUNFLAT
交換後 = CINTURATO P7(P7C2):225/45R18 95Y XL ★BMW RUNFLAT
交換した時に「空気圧はどうしましょうか?」と聞かれたので、交換前はフロント・リア共に、2.4berにしていたことを伝えると・・
「じゃあ、フロントは2.5ber・リアは2.9berにしておきますね」とのことだったのですが、本当にそれでいいのかどうかを、ちょっと調べてみることにしました
LI(ロードインデックス)とは
「LI」とは、規定の条件下で、タイヤに負荷することが許される「最大の質量」を表す指数です。(ロードインデックスの最大負荷能力は下表の通り)
要は、1本のタイヤが支えられる、最大重量のことですね
「91」なら最大615kgまで、「95」なら最大690kgまで、支えることが出来るってことです
XL(エクストラロード)とは
エクストラロード(XL)規格のタイヤは、タイヤ内部の構造を強くすることにより、スタンダード(STD)規格品と同サイズでも、高い負荷能力を発揮できます。
例えば、同じタイヤサイズ「215/45R17」の場合でも、STD規格では「LI」は「87」ですが、XL規格では「91」となります
なるほど・・
だから、同じチントゥラート「225/45R18」でも、前のタイヤはSTD規格で「91」だけど、履き替えたタイヤはXL規格だから「95」になってたわけだ・・
XL 規格のタイヤを正しく使うには?
XL規格のタイヤに設定された負荷能力を発揮するためには、正しい空気圧を充填する必要があります。空気圧別負荷能力一覧表を確認し、STD規格の負荷能力を維持する空気圧を充填してください。
要は・・丈夫に出来てるんだけど、その能力を発揮するには、多めに(高めに)空気を入れなきゃダメってことですね
ってことで、STD規格「LI=91」とXL規格「LI=95」の違いを並べてみました
空気圧別負荷能力対応表 -株式会社ブリヂストン (bridgestone.co.jp)より
これを見ると、「LI=91」の最大負荷能力「615kg」を発揮する空気圧は2.4ber(240kPa)でしたが、「LI=95」のタイヤで「615kg」の負荷能力を得るには、2.5ber(250kPa)が必要になります
0.1ber(10kPa)高く入れないと、同じ重さを支えられないってことですね
だから、交換前にフロント2.4ber(240kPa)だったのを、2.5ber(250kPa)にしたのは正解だったわけです
って、ここまで書いたところで、「BMW420GC」のタイヤ空気圧値を、確認してみることにしました(今更ですが・・)
黄色が交換前のタイヤ、赤が交換後のタイヤになります
すると、3人乗車の場合は、フロント2.2ber・リア2.4berで、新旧どちらも、同じ空気圧になってるじゃないですか!?
そして、5人乗車に至っては、旧タイヤの方が、0.3berも高めになってるし・・
「えっ!どういうこと?」
XL規格の方が、高めにするんじゃないの?
って言うか、スタンダード規格の早見表には、2.5ber(250kPa)までしか載ってないんですけど・・
訳が分からなくなって、またまたネットで調べてみると、タイヤの規格とその見分け方 (kurumanu.com)、という記事を見つけました
JATMA規格とETRTO規格
そこでわかったのが、タイヤには「日本」と「欧州」、2つの規格があると言うこと
JATMA規格▼
「一般社団法人 日本自動車タイヤ協会」(通称ジャトマ)で決められている規格。会員企業は「ブリヂストン」「住友ゴム工業」「横浜ゴム」「東洋ゴム工業」「日本ミシュランタイヤ」、 最大空気圧は2.4ber(240kPa)まで。
ETRTO規格▼
「欧州タイヤとリム技術機関」で決められている規格。ETRTO規格には、STD(スタンダード)規格の他に、XL(エクストラロード)規格がある。STD規格の最大空気圧は2.5ber(250kPa)、XL規格の最大空気圧は2.9ber(290kPa)まで。
「なるほど~、だから変なコトになってたんだ~」
そもそもピレリは「欧州タイヤ」だから、日本の規格と比較しちゃダメですよね
ってことで、ETRTOのSTD(スタンダード)規格と、XL(エクストラロード)規格で、やり直しです!
ETRTOスタンダード規格の空気圧毎の負荷能力表 (kurumanu.com)より抜粋
ETRTOエクストラロード規格の空気圧毎の負荷能力表 (kurumanu.com)より抜粋
すると、STD規格の2.2ber(220kPa)と、XL規格の2.2ber(220kPa)の負荷能力は同じ555kgになってる!
それだけじゃなくて、2.3ber(230kPa)、2.4ber(240kPa)、2.5ber(250kPa)もすべて同じ
だから、3人乗車の空気圧は、新旧タイヤが同じ値になってたわけですね
なるほど、納得です!
でも、5人乗車の場合はどうなの?
旧タイヤはフロント2.7ber・リア3.2berってなってるけど、今までそんな高く入れたことないし、そもそもSTD規格には、2.5ber(250kPa)より上の記載がないんですけど・・
まさか、XL規格と同じ負荷能力を得るには、STD規格の上限値を越えちゃうけど、思い切って空気圧上げてね!、ってことなんですかね?
この理由は、BMWに聞いてみないとわかりませんが、フル乗車のことを考えると、XL規格のタイヤに履き替えておいて、良かったってことですね
結局、空気圧は適正だったわけですが(最初からシールを確認すればよかっただけの話)、でも遠回りした分、勉強になりました
空気圧の単位
最後に、空気圧を表す単位は「kgf/cm²(キログラム)」「ber(バール)」「kPa(キロパスカル)」などがあって、どれかひとつに、ならないもんですかね
空気圧の単位について( psi・kpa・ber等) (ohnotire.com)より
ちなみに、BMWの空気圧設定シールにもある「32」とか「35」という数字は、「PSI」(ポンドスクエアインチ)という単位で、欧米でよく使われる数値だそうです
いや~、分かりづらい!