独仏的クルマ生活

ドイツ車のような奥さんとフランス車のような私のカーライフエッセイ

#163 クルマの税金が変わる!?(2)

 

前回は自工会がまとめた「日本のクルマの税が抱えている課題」の話をしましたが・・

今回はその課題に対して自工会が提案した「自動車税制抜本見直しの改革案」を見てみたいと思います

自工会の資料は自工会、自動車税制抜本見直しについて - Car Watchより引用

<日本の自動車産業の現状>

まず自工会は、日本の自動車産業が置かれている現状を説明しています

下は国内の自動車販売状況を示したグラフ(縦棒)ですが、1990年度の780万台をピークに減少傾向をたどっています

 

クルマ需要を支えてきた「昭和世代の高齢化」や「若者のクルマ離れ」もあるのでしょうが、クルマはそれなりに高い買い物ですから、税金(消費税)のアップも少なからず影響がありそうです

これ以外にも「海外新興メーカーの参入」や「蓄電池サプライチェーンの囲い込み」など、国内自動車産業が厳しい環境に置かれている中、今後も基幹産業として発展していくには新たな価値の創出が必要だと言っています

<モビリティ産業による新たな価値創造>

その新たな価値とは・・

自動車産業・エネルギー産業・データ事業が連携してモビリティ産業を形成し、xEV(電動車※1)やSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル※2)を開発普及させることで、人と社会システムを繋ぐモビリティ社会を創るという構想です

 

※1:「xEV」とは「電動車」のことで、BEV(電気自動車)HEV(ハイブリッド自動車)PHEV(プラグインハイブリッド自動車)FCEV(燃料電池車)を指す

※2:ソフトウェア・デファインド・ビークルとは、車と外部との間の双方向通信機能を使って車を制御するソフトウェアを更新し、販売後も機能を増やしたり性能を高めたりできる自動車のこと

そしてこれが実現すれば、33兆円の経済効果、240万人の雇用創出、7.5兆円の税収増加が見込めるとしています

いや~、国が喜びそうな数字を散りばめる辺り、さすが自工会、抜かりありませんな!

自動車税制の抜本的見直し>

そしてモビリティ社会実現のためには「国の税制」が果たす役割は非常に大きいと位置づけ、具体的には以下の3つの改革案を提示しています

  • 購入時の税金を下げて、電動車への買い替えを促進する
  • 保有時の税金は公平かつ普遍的で簡素なモノにし、環境性能で加減する仕組みにする
  • 将来的には「モビリティ社会」全体で、税を負担する方法を検討する

具体的には・・

  • 取得時の「環境性能割」を廃止して「消費税」に一本化 → ユーザーの税負担を減らして市場の活性化を図る
  • 保有時は「自動車税」を廃止して新たな「重量による課税」に一本化 → 税の簡素化と公平性によりユーザーの納得性を高める
  • 環境性能によって「重量課税」を増減させる仕組みを作る → 保有ベースでCO₂の削減を図りながら買い替えによる新陳代謝を促す

という改革案です

 

こうすればユーザーの税負担は減るし、自動車業界はクルマが売れるし、国はCN(カーボンニュートラル)達成の目途がつくだけじゃなく、今より安定した税収入が期待できるってわけです

ちなみに何で保有車ベースでCO₂削減が必要かというと、新車販売ではすでに半分が電動車になっているのに、保有車全体で見るとまだ23%しか電動車が普及していないらしい

 

なるほど世の中には私みたいな「ICE」乗りがまだ3/4もいる訳ですから、これを「xEV」に乗り換えさせるだけで結構な新車販売が期待できるってことです

自動車税制改革のスケジュール>

  
さて、この自工会の提言がうまく行くかどうかは別にして、既存のルールで相変わらず税金を取ることばかり考えているお役所には、目からウロコの提案なのは間違いありません

自工会は「税制改革検討のスケジュール案」まで提示しており、もしこの通りに進むとすればおそらく今年(2025年)の12月までには制度設計の結論が出て、2026年度以降には自動車税制が変わる可能性が出てきます

ガソリン税制改革も含めて、早くユーザーがクルマを買いやすい、乗りやすい環境になればいいですね!