独仏的クルマ生活

ドイツ車のような奥さんとフランス車のような私のカーライフエッセイ

#9 ツインパワーターボ(2/3)

前回はダイレクトインジェクションシステムを調べましたが・・

dfcarlife.hatenablog.com

 

つぎはバルブトロニックとダブルVANOSです

 

BMWの説明では、吸気バルブを無段階に可変制御するのが「バルブトロニック」で、吸気と排気のバルブタイミングを調整するのが「ダブルVANOS」だそうです

 

ではまず「バルブトロニック」から・・

 

4サイクルエンジンは文字通り、①吸気・②圧縮・③燃焼・④排気の4工程で動いています

 

吸気の時は、シリンダー内のピストンが下がると同時に吸気バルブが開き、注射器のように空気を吸い込む訳ですが…

 

この時にスロットルバルブが閉じていると、もっと空気を吸いたいのに吸えない状態になります

    キャップの付いた注射器のイラスト

注射器の口を指で押さえてるような感じですね(^^;

 

この吸う力にブレーキがかかり、本来エンジンが持っているパワーを出し切れないことを「ポンピングロス」と言うそうです

 

それじゃあってことで、このスロットルバルブを取り払って、アクセルで直接吸気バルブの開度を調節してしまおうというのが「バルブトロニック」だそうです

 

す、すごい発想!(まったく知らなかった・・)

 

アクセルで吸気バルブの開閉量を変化させるため、アクセルレスポンスが良くなり、吸気抵抗が減って燃費やエンジン出力の向上が図れたんだとか

 

カムの動きをバルブに伝えるロッカーアームという棒の支点を変化させることで、開閉量をコントロールするという複雑な仕組みになってるらしい

 

でも、これって発表されたのが2001年なんですね(これも知らなかった・・)

もう20年も前の話だよ~(^^;

 

ところで、これを日本語では「連続可変バルブリフト機構」と言うそうですが、BMWのほかにも同じような仕組みを採用したメーカーがあるそうです

 

それがトヨタの「バルブマチック」、日産の「VVEL」、三菱の「MIVEC

 

ところが現在はBMWの「バルブトロニック」以外はやめてしまったらしい

まあ、構造が複雑だし、コストがかかるんでしょうね、たぶん‥(^^;

 

ただ、最近はエンジンの燃焼効率を上げるために様々な方法が考案されており、もっと低コストでポンピングロスを減らすものも出て来ているそうです

    排気ガスのイラスト

そのひとつが、「EGR(排ガス再循環)」というやり方

 

もともと、NOx低減対策として40年以上前に考案された技術なんだそうですが、近年、ポンピングロス低減のために使用するエンジンが増えてきてるんだとか

 

排ガスを吸気に戻すので、入ってくる気体そのものが増える(新気+排気)わけだから、その分ポンピングロスは小さくなるんですって

 

しかも排ガスに負けないように新気を吸入するには、スロットルバルブを余計に開けるから、ロスの原因となる抵抗自体が減ってくるらしい

 

「えっ! 排気を戻してちゃんと燃えるの?」って思いますよね(^^;

これがちゃんと燃えるし、逆に温度が上がらないので排気もきれいになるらしいんです

 

いやいや、エンジンって奥が深い!

というか、エンジニアって凄いことを考えますね(^^;


さてさて、もう一つの「ダブルVANOS」とは…

 

「VANOS」はドイツ語のVariable Nockenwellen Steurungの略だそうで、「バノス」と発音するそうです(^^;

 

日本語に訳すと、可変カムシャフトコントロールなんだとか

 

アクセル開度やエンジン回転数などの状況に応じて、吸気と排気のバルブタイミングを無段階に調整するということらしいのですが・・

 

具体的にどう調整しているかと言うと、低速域では吸気バルブの開く時期を遅らせて安定したアイドリングを実現!

 

中速域では反対にバルブの開く時期を早めて、高トルクとクリーンな排出ガス、低燃費を達成!

 

さらに高速域では再びバルブの開く時期を充填効率が高まるタイミングに遅らせて、フルパワーを発揮する!

 

要は、すべての回転数でベストな吸排気を行ってるってことですな(^^;

 

いつも同じタイミングで吸気バルブを開け閉めしていると、ある回転数ではメチャいいけど、それ以外はダメみたいなことになるらしい

 

エンジンは回転数が上がるほど空気を吸う力が強くなり、だんだん空気の流れが速くなって、流体慣性というのが生まれるそうです

 

この流体慣性が大きくなると、①吸気が終わって ②圧縮が始まっても、まだ空気がシリンダーへ入って行こうとするらしいのです

 

なのでこういう時はバルブが閉じるのを少し遅らせたほうが、より空気をシリンダー内に取り込むことができるんだとか

 

「いやいや、すごいこと考えますよね」

「って言うか、もの凄い速さなのに、そんなこと出来るんかい!?」

 

この流体慣性は排気にも同じことが起きるので、④排気が終わって ①吸気が始まっても、まだ排気はシリンダーから出て行こうとする

 

なので、排気が終わって吸気が始まっても、ちょっとだけ排気バルブを開けてた方が排気効率が上がるんだとか・・

 

「うん? あれ?」

「吸気の時にまだ排気バルブが開いてるってことは、吸気しながら排気してる!?」

 

そうなんです!

 

このように、吸気と排気のバルブが両方開いてることをオーバーラップと呼び、こうすることで、また吸排気効率が上がるんだそうですよ

 

でもこれは回転数が上がった時の話

 

低速やアイドリングの時にこれをやると、不燃焼が起きてススが出たり、回転が安定しなかったりするんだそうです(^^;

 

だから「ダブルVANOS」を使って、回転数に合ったタイミングに変える訳ですな

 

余談ですが、この「ダブルVANOS」も最初はシングル(吸気側だけ)だったそうです

 

それも1992年に採用されてたって言うから、もう30年近くも前

今のようにダブルになったのも1996年だっていうから驚きです

 

ところで、エンジンの回転数って1分間に何千回転ってしてますよね

仮に3,000回転/分としたら、1回転0.02秒

 

クランクシャフト1回転が2ストローク分だから、4ストロークエンジンの吸排気バルブは0.04秒に1回開閉してるってことです

 

これが6,000回転だと0.02秒に1回開閉しているわけです
この速さで更にバルブタイミングを調整できるなんて…「す、すごい!」

 

「よくこれで壊れないよなぁ、さすがBMW!」

もう、感心するのを通り越して、これは「感動」ものです

 

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